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いろ歯にほへと

愛媛新聞に掲載記事のバックナンバー

平成14年3月 第1週

『歯ブラシ選びのコツ』 稙毛部は小さめが便利

私たち歯科関係者は歯磨きのことをブラッシングとよんで、歯磨きに特別の思いを持っています。どのような作業をするにも道具選びが重要なように、上手なブラッシングをするにも歯ブラシ選びが肝心です。今回は、その歯ブラシ選びのポイントについてお話してみたいと思います。

歯ブラシには大きく分けると、手用歯ブラシと電動歯ブラシがあり、両者とも数多くのメーカーから、多種多用の製品が市販されています。

まず、手用歯ブラシについて述べてみたいと思います。

(歯ブラシの大きさ)
ブラッシングでは、口の中のいろいろなところまで歯ブラシの毛先が届く事が大事です。

そのためには、植毛部全体の大きさが少し小さめののほうが便利です。具体的な目安としては、長さは3センチまで、毛束の高さは1センチ、幅7ミリぐらいを目安とするのが良いでしょう。

(毛の硬さ)
毛の硬さは、硬めのほうが効率よくブラッシングできます。しかし、歯肉に炎症がある時は、初め比較的柔らかい歯ブラシを使うのが良いでしょう。ブラッシングをした時に痛くない程度のものを選び、そのブラシで汚れが落ちにくいようであれば、少し硬めのものを使用してみてください。また、力の入れ方で個人差がありますので、ご自分で試行錯誤しながらちょうど良いものを選ぶようにしてください。

(毛の形)
ブラッシングの際、歯肉を傷つけないようにするためにも、毛先が、真っ直ぐでそろっている歯ブラシが良いでしょう。

(毛の材質)
天然毛(豚、狸の毛)もありますが、一般にはナイロン毛の使用をお薦めします。その理由として、毛先の丸型加工、毛の抗菌処理ができ、水はけがよく衛生的で、天然毛より清掃効果にすぐれているからです。

(歯ブラシの使用期間)
期間としては約1ヶ月を目安にしてください。歯ブラシを裏から見て、毛先が飛び出して見える時が交換時期となります。ブラシ圧が強すぎる方ですと、1~2週間で交換になるので注意してください。

次に、電動歯ブラシですが、運動のしかたで、回転運動型、前後(左右)運動型、微振動型に分けられます。選び方、使い方が難しく、使用法を誤ればせっかくの高いブラシ効果が台無しです。電動歯ブラシを購入、使用の際には、歯科医や歯科衛生士の助言、指導を受けることをお勧めします。

「歯を磨いていること」と「歯を磨けていること」では意味が違います。歯ブラシは口の中をより清潔にする一つの道具です。上手に使いこなせるよう、自分に合った歯ブラシ選びをしてください。


平成14年3月4日(月)
愛媛新聞生活欄16面掲載