羽賀さん一家の元気ではぴか]/9 顎関節症編
 第2章 浮江さんの… /愛媛
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第2章 浮江さんの悩み(5)リラックス、リラックス
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀さん一家は、四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎(だいじろう)さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。顎の痛みで歯医者を訪れた浮江さんは、顎関節症と診断され、自分が無意識のうちに、歯をくいしばっていることを指摘されました。
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 「気がつきましたか?下を向くと、顎が閉じてかみしめやすくなるんですよ。このように私たちは睡眠中だけでなく起きて活動している間も、無意識のうちにくいしばっていることが多いのです。力を必要とする仕事やスポーツ選手が、グッとくいしばることを頻繁にしていることは理解できますよね。でも、そうでない人も文字(を見たり、細かい手作業をする時間が長くなれば、同じように注意が必要なのです。最近はパソコンも気をつけないといけませんね」
 そう言われた浮江さんの脳裏には、バレーボールで力強くボールを打っている自分の姿が、浮かんできたのでした。気がつかないうちに、体はいろいろな影響を受けているんだなあと、しみじみと考えさせられました。
 「先生、こんなことが何故気づかないうちに、突然起こってしまうのですか?」
 「目も、左右視力が違いますが、特に意識したことはないでしょう?だから口の中も左右のバランスが違うといわれても、誰だってピンとこないし、自覚していないでしょう。ですが厄介なことに、この顎の関節は他の関節と違って左右一体となって動いていて、しかも歯のかみあわせの影響を受けるということが他の体の部分と違っていますし、その動きは複雑な回転運動と前後運動を、左右が協調して行わなければならないという特殊性もあるのです。ですからバランスをとるのが大変なんですが、それが崩れた状態が続くと、突然症状が出てしまうのでしょうね」
 先生の話が少し難かしくなり意味がよく理解できなかった浮江さんでしたが、それじゃあ時々変になっても仕方がないかなという気にさせられました。
 「それでは、詳しく診てみましょうか」
 先生はそう言うと、顎の周りの筋肉や、口の開け閉め、口の中の様子などさまざまな診査を行いました。幸いなことに浮江さんの場合、歯や顎関節に大きな問題はなく歯の磨耗の程度や頬の内側に「かみしめ」による圧痕が見られることから、精神的ストレスが原因のようでした。彼女は普段、無意識に歯をくいしばって「かみしめ」を行っていたようです。そのため顎関節の周りの筋肉が緊張し頭痛を引き起こしていたのです。ただしひどくなると治療が必要な場合もあるので注意しておくようにと先生は言いました。
 「そういえば家のローンや子供たちのことなど心配の種は尽きることなくあるわね。リラックス、リラックス」
 そうつぶやきながら笑顔を大事にしようとあらためて心に誓う浮江さんでした。
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 ◇はぴか情報
 顎関節症を予防するためにも、かみごたえのある食べ物を取り入れ、よくかむ食習慣を身につけましょう。かみ合わせが悪かったり、歯ぎしりが気になる時は、まず歯科医師に相談してみましょう。症状にあったアドバイスを受けられます。 (資料提供 8020推進財団)
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