[羽賀さん一家の元気ではぴか]/8
 顎関節症編 第2章 浮江さんの…
 ◇文・飯尾 秀人、絵・KOUJI
 ◇第2章 浮江さんの悩み(4)気づきから始める
 ◇無意識のくいしばり
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家(いっか)は、四国(しこく)のある街(まち)で仲良(なかよ)く暮(く)らす大家族(だいかぞく)。お父(とう)さんの大二郎(だいじろう)さん、お母(かあ)さんの浮江(うきえ)さん、結婚(けっこん)して妊娠中(にんしんちゅう)の長女加奈(ちょうじょかな)さん、高校生(こうこうせい)の二女唯(じじょゆい)さん、小学生(しょうがくせい)の長男明夫(ちょうなんあきお)くん、大二郎(だいじろう)さんの両親(りょうしん)の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯(は)に問題(もんだい)を抱(かか)えていました。浮江(うきえ)さんの顎(あご)の痛(いた)みはどうやら顎関節症(がくかんせつしょう)のようです。浮江(うきえ)さんは、ようやく歯医者(はいしゃ)に行く事にしました。
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 「これがねずみのなんとか、じゃなくてなんでしたっけ?」
 先生が持ってきた白いつるつるの入れ歯みたいなものを見て、浮江さんはそう尋ねました。
 「おや詳しいですね、それはマウスガードのことですね。でもこれは似ていますが、顎関節症を治療するために使われる、スプリントっていうものです」
 そう言うと先生は、手鏡を浮江さんに渡して、彼女の歯をさししめしながらこう続けました。
 「この歯を見てください。くさび状にえぐれているのが分かるでしょう。以前はハブラシを当てる力が強すぎて削れたものと考えられていましたが、最近はそれ以外に、歯ぎしり・くいしばりなどによって歯に異常な力が加わることで、歯の表面のエナメル質や象牙質がパリパリとはがれて歯が欠けていくと考えられています」
 そう説明を受けた浮江さんですが
 「私、歯ぎしりなんかしていませんし、くいしばりってどういうことなんですか?」
 と納得のいかない様子です。それでも先生は、まだ説明を続けます。
 「来院される多くの方はそうおっしゃいますよ。でも、9割以上の人が無意識に歯ぎしりやくいしばりをしているといわれていますし、ほとんどの人が噛みしめることの害を知らないため、気づかずに自分自身を悪くしているのです」
 「じゃあ、みんな気がついてないんですか?」
 そう浮江さんが言うないなや、
 「そうです。大事なのはそれに気づくことなのです。この病気はストレスや性格心理的な要素に影響を受ける場合がありますし、原因がわかれば安心できるでしょう」
 そう言われた浮江さんは、最近頭痛に悩まされていた自分にも当てはまっていたので、ドキッとしてしまいました。
 「でも、くいしばりはどういうことなんですか?」
 「くいしばりは、噛みしめとも言われていて、音を立てず上下の歯をかみ合わせてぐっと力を入れる状態をいいます。左右均等に噛む場合もあれば、右か左のどちらか片方に力をいれてかみしめる場合もあります。じゃあ、天井を見てください。どうですか? 今上下の歯はかみ合わさっていないでしょう。次にそのままゆっくり下を向いてください。ほら、だんだんと上下の歯が強くかみ合わさってきたでしょう」
 「本当にそうなりますね!」
 浮江さんは少しビックリしたようです。=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
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 ◇はぴか情報
 顎関節症のためのスプリントとは、顎関節症の治療として、噛み合わせの改善のために歯列の噛み合わせ面の一部あるいは全部を被う硬質プラスチック製のマウスピースのことです。上下の顎の位置関係の改善、咀嚼筋の緊張の緩和など応用の目的によって、さまざまな大きさや形のものがあります。夜間就眠中に上顎または、下顎に装着する取り外しできるタイプのものがよく使用されます。(情報提供・愛媛県歯科医師会)
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