羽賀さん一家の元気ではぴか]/7 顎関節症編 
 第2章 浮江さんの… /愛媛
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第2章 浮江さんの悩み(3)ねずみを守れ?
 ◇マウスガードてなあに?
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎(だいじろう)さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。浮江さんの顎の痛みはどうやら顎関節症のようです。一体どんな病気なのでしょう。

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 「もっと力を入れて! そこ。打て打て」
 いつものようにコーチのドスのきいた声が響きます。ここは明夫くんが通っている小学校の体育館。浮江さんは週に一回、学生時代から続けているバレーボールをクラブの仲間と楽しんでいるのです。
 「羽賀さん、今日はお疲れのようね。いつもだったら、もっと決まるのにね」練習が終わってからバレー仲間の石野さんが声をかけてきました。
 「具合がちょっとね」浮かない返事で、そう答えた浮江さんでしたが
「顎関節症」と言う言葉を口にした途端、石野さんが突然声を荒げて言いました。
 「顎関節症って、羽賀さんも悩まされてるの!」
 浮江さんはその言葉を石野さんから聞いてびっくりしました。そしておそるおそる「あなたも悩んでるの?」
 と聞き返しました。
 「3カ月ほど前に口全体の歯がしみたの。それでムシ歯じゃないかと思って歯医者さんに行ったら、そうじゃなくて顎関節症だって言われたのよ」
 「ふーん、それなら私とは違っているわよ。だって歯がしみたりしないもの」
 少し安心しかけた浮江さんでしたが
 「この病気は、いろいろな原因が複雑に絡み合って引き起こされることが多いのよ。そして人によって出てくる症状も違うって書いてあったわ」
 と、間髪をいれず石野さんが答えたのです。
 「じゃあ、私の頭痛もそうなのかな? でも書いてあったって、どこに書いてたの」
 「私が治療を受けた時、その歯医者さんでパンフレットをもらったのよ。時々読み返してくださいってね。日ごろから気を付けないと、ひどくなるとなんだっけ? 最近スポーツでよく見かけるマウスガードみたいなものをつけなくちゃいけなくなるって、先生言ってたわよ」
 「マウスガードって何? ねずみを守れって言うの」
 「ふふ、ナイスぼけね、羽賀さん。マウスは日本語でねずみだけでなく、お口のことも意味するのよ。つまり、口を守るっていうことね。激しく人とぶつかるスポーツをする人がよく口にいれているじゃない。色もカラフルでテレビを見ていても、最近目立っているわよ」
 「ああ、あの変なの。そのために入れていたのね。知らなかったわ。でもそれが何故、顎関節症と関係があるの?」
 「さあね、歯医者さんに行って聞いてみたら」
 そう言われた浮江さんは、やっと歯医者さんに行く決心がついたようです。
(愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載)
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 ◇はぴか情報
 マウスガードはマウスピースとも呼ばれ、ボクシングなどの格闘技やラグビーなどの激しい衝突を伴う球技などのスポーツで使用します。材料は樹脂製で普通は上顎(あご)にはめ、歯の破折や、顎の骨折、お口の周囲の軟組織のケガを防止したり、脳しんとうの予防にも効果があります。また人によっては運動能力がアップする場合もあります。(情報提供・愛媛県歯科医師会)
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