:[羽賀さん一家の元気ではぴか]/2 歯周病編 
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第一章 羽賀さんのゆううつ(2)初めての経験
 ◇静かなる侵略者、歯周病
 ◇これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎(だいじろう)さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。ある日のこと、朝起きると大二郎さんのほっぺたが、ハチに刺されたように腫れ上がっていました。生まれて初めて歯医者さんに行くことになった大二郎さんは……。
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 「今まで痛むことはなかったのですか」
大二郎さんの口の中を一回り診てから先生がたずねました。
 「2カ月ほど前に少しだけ痛みましたが、そのはこんなに痛みがひどくなかったのです」
 「これは歯周病ですね。詳しく調べるためにお口全体のレントゲンを撮ってみましょう。羽賀さんは治療をしている歯が1本もありませんが、歯医者に来たのは初めてですか?」
 「初めての経験です」
 自慢げにそう答えると、そばで少し笑っていた歯科衛生士という仕事を(後で聞いて知ったのですが)の女性に案内され、レントゲン室に向かいました。
 その日の夜の食事を終え、大二郎さんはもらったを飲みながら、今日歯医者に行って教えてもらったことを思い出していました。レントゲンを撮ってみたら歯周病の進行は先生の予想ほどではなく、2日前からすこし風邪ぎみだったのが、こんなにひどくなった原因の一つだったのだろうということ。
 次回来院した時にはれが引いていたら、「歯周検査」といって金属の小さな棒を歯と歯茎の間に入れてふかさを測り、歯周病の進行状態を調べること。その結果を見てから、歯磨き指導やスケーリングといって、歯についた汚れや歯石を取る処置)を行うこと。その後もう一度検査をして経過をみるか、次の処置に移るかを決めることなどいろいろ教えてもらいました。
 それに歯周病は「サイレントディジーズ」(静かな病気)といって、知らない間に進行して自分で気づいた頃にはかなり悪くなっていることが多いから、普段から定期的に歯科医院に行ってメンテナンスをすることが重要だということを初めて聞き、ショックをうけたことを思い出しました。その時に、同僚の徳永さんが痛くもないのに、なぜ歯医者に行くのか理解することが出来たようです。しかしいずれにしても一番重要なのは最後まで通院してあきらめずに治そうという自分自身の気持ちだと先生は話していました。
 「頑張ってみるか」
 そう決心して大二郎さんは席を立ちハミガキをするために洗面所へと歩いていきました。
 「歯が大事、歯が大事」
 そうつぶやきながら。=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
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 ◇はぴか情報
 歯科医院で定期的に歯石の除去を受けましょう。歯石はだ液の働きで歯垢が石灰化したもので、歯と歯ぐきの間のすき間にたまり、歯周病菌の温床となります。これを除去するためには、特別な器具を使った特殊技術が必要。家庭で自分ではできない作業です。歯石を除去すれば、歯周病の進行を予防できるのはもちろん、歯がつるつるで爽快になります。(資料提供・8020推進財団)