[羽賀さん一家の元気ではぴか]/18
 不正咬合編 第4章 明夫くんと…
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第4章 明夫くんとテレビゲーム(4)突然の電話
 ◇“歯牙打撲”に要注意
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎さん、お母さんの浮江さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。明夫くんの歯並びが気になる浮江さん。歯並びがよくなると頭の回転がよくなると聞いた浮江さんは、矯正に興味がわいてきたようです。
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 次の日のお昼休み、浮江さんは仕事場から友人で歯科衛生士をしている良子さんに電話しました。
 「ねえ良子、歯の矯正をしたら明夫の成績がよくなるかしら?」
 「なに言ってるの、魔法じゃないのよ。でも何事にも意欲的になれて、成績もアップするかもしれないわね」
 笑いながら良子さんがそう答えると浮江さんは、
「でも矯正って高いんでしょ。安くしてもらえないかしら。ねえどこか紹介してくれない?」
 そう良子さんに頼んでみました。
 「浮江にかかったら矯正もバーゲン扱いね。でも矯正の値段は細かく決まっているから、どの医院でもそんなに変わらないと思うわ。それにバーゲンセールはしてないわよ。だけど明夫くんの歯並びは治療しないといけない程悪いとも思えないし、一度歯科医院で診てもらったらいいんじゃない? もし矯正治療が必要なら矯正専門の医院を紹介してくれるから」
 「でもいざ矯正に行ってくださいなんて言われたらどうしよう。矯正って保険が使えないんでしょ」
 「そうね。でも気になるなら一度診てもらってもいいんじゃない。一回目の相談ならそんなに費用もかからないし、治療の内容によってどのくらい費用がかかるか治療する前に詳しく説明してくれるから」
 「今流行のインフォームド・コンセントっていうやつね」
 「そう、『ドクターは治療について十分な説明をして患者さんが納得してから処置をおこなう』っていうのが常識だからね」
 「ありがとう、また考えてみるわ」
 そう言い終わると浮江さんは午後の仕事の準備に向かいました。
 それから1時間ほどたったでしょうか。仕事をしている浮江さんに明夫くんが通っている学校から電話がありました。
 「はい、羽賀です。えっ! 明夫が……、それじゃあすぐに伺います」
 そう返事するやいなや浮江さんは、あわてて学校に向かいました。
 「すみません。お世話になります」
 そう言(い)いながら浮江さんは保健室に入っていきました。
 「お母さん、来られたわよ」
 養護の先生は明夫くんに話しかけると浮江さんに向かって言いました。
 「明夫くん、体育の授業中勢)い余って隣にいた剛士くんにぶつかってしまったんです。剛士くんは頭だったので特に問題はなかったのですが、明夫くんは上の前歯をぶつけたみたいで、すこし歯が痛いらしいんです。かかりつけの歯医者さんに診てもらったほうがいいんじゃないかと思いますので、よろしかったらこちらから連絡しておきます」
 「わかりました。さっそく歯医者さんにいってみます。どうもお世話になりました」
 それから浮江さんは明夫くんを連れてかかりつけの歯科医院に向かいました。=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
                
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 ◇はぴか情報
 矯正治療を希望したら、まず矯正歯科で精密検査を受け、歯がどんな状態なのかを調べてもらい、それに合った治療計画を立ててもらう必要があります。治療する本人にムシ歯があれば、一般歯科での処置を受けなければなりません。そういう準備を経て、初めて治療スタートとなります。(情報提供・愛媛県歯科医師会)
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