[羽賀さん一家の元気ではぴか]/15
 歯みがき編 第4章 明夫くんと… 
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第4章 明夫くんとテレビゲーム(1)恨めしい!
 ◇歯並びを悪くする原因は?
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、 四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。明夫くんはテレビゲーム大好き。お母さんにいつもしかられています。でもそれと歯の健康とどういう関係があるのでしょうか。
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 「明夫、食事の時にテレビを見るのはやめなさい」
 そう言いながら浮江さんは、リモコンのスイッチを押してテレビを消してしまいました。
 「あっ、今いいとこだったのに」
 明夫くんは恨めしそうに浮江さんの顔を見つめて、そう愚痴をこぼしました。
 「だって、いつまでたっても夕食が終わらないじゃない。後片付けができないのよ」
 「僕だって塾のない日くらいのんびりしたいさ」
 明夫くんは不満そうな顔で、そう答えました。
 最近、浮江さんと明夫くんはこういった楽しくない会話ばかりしています。なぜかというと、明夫くんの一番の楽しみは、2年前のクリスマスプレゼントにお父さんに買ってもらったテレビゲームなのですが、5年生になってなかば強制的に塾に通わされていて、さらに塾の成績があまりよくないので浮江さんから成績がよくなるまでゲーム禁止令が出ているからなのです。
 「この前の実力テストの出来がよくなかったんだから、今度は頑張ってよ。お母さんも恥ずかしくって塾(じゅく)の先生にお会いできないわよ」
 「ハイハイ」
 そう返事するやいなや明夫くんは残りの食事を猛スピードでたいらげて、さっさと自分の部屋に逃げ込んでしまいました。
 「最近ちょっと明夫に厳しくないかい?」
 いっしょにテレビを見ていた大二郎さんはバツが悪そうにそうつぶやくと、浮江さんは『あなたが叱らないから私が言わなきゃならないのでしょ』と心で思いながら、恨めしそうに大二郎さんを見つめて返事をしました。
 「だってこの前学校に行った時も担任の先生から『明夫くんは最近よくボーッとして集中力がないですね』なんて言われたし、塾の成績もだんだん下がっているんだから」
 「そういえば明夫はテレビゲームをしている時も口をポカーンと開けているよね。なんだかテレビゲームに魂を抜き取られているんじゃないかって感じで、見ていてちょっと滑けいだね」
 笑いながら大二郎さんはそう答えました。
 「笑いごとじゃないのよ。実は、この前久しぶりに同級生の良子に再会したの。結婚式でスピーチをしてもらったのを覚えてる?」
 「ああ、スピーチで『浮江を不幸にしたら承知しないから』と笑って言っていたけど、目の奥が笑っていなかった人だろ。怖かったから、よく覚えているよ」
 「何言ってんの、良子はやさしい人なの。彼女、今ご主人の転勤でこっちにやって来てて、日真名歯科医院に勤めているの。この前彼女が教えてくれたんだけど、口をよく開けたままでいるのは一つの悪い癖で、歯並びを悪くする原因になることもあるらしいの。結婚する前は歯の矯正を専門にしている歯科医院に勤めていたらしいから詳しいのよ。明日会ってよく聞いてみるわね」
 そう浮江さんに言われて大二郎さんは『井戸端会議の口実がまたできた』と心で思いながら、明夫くんと同じように自分の部屋に逃げ込んでしまいました。=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
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 ◇はぴか情報
 「不正咬合(ふせいこうごう)」とは、歯並びが悪く正しくかみあわせが出来ないこと。下の歯が上の歯より前側にある「受け口」▽歯がでこぼこに生えた「乱ぐい」▽歯の間が開いている「すきっ歯」▽奥歯をかんだ時に上下の前歯の間が開く「開咬(かいこう)」などがあります。(情報提供・愛媛県歯科医師会)