[羽賀さん一家の元気ではぴか]/13
 歯みがき編 第3章 唯ちゃんは… /愛媛
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第3章 唯ちゃんは今どきの高校生(4)歯のメンテナンス
 ◇歯みがきに近道なし!
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、 四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎(だいじろう)さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。歯みがき嫌いな唯さんは、衛生士さんから正しい歯ブラシの使い方を学んでいます。
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 「今までの歯みがきの仕方とは全然違うんですね。正しい歯みがきは、こうすればいいんですね」
 目からうろこが落ちたような気持ちになった唯ちゃんですが、衛生士さんは話を続けます。
 「でも同じ病気でも患者さんの年齢や病気の進行具合によって処置が変わるように、歯みがきも患者さんによって、少しずつ指導の仕方は変わるのよ。だから自分流の歯みがきを覚えることが大事なの」
 「めざせ! 歯みがきの達人ということですね。なんとなくお化粧と一緒みたい」
 「女の子らしいたとえね。鏡がなくっちゃいけないものね。じゃあ、他の所もしっかり落としてみましょう」
 そう言われた唯ちゃんは、衛生士さんの指導を受けながら歯みがきを続(つづ)けました。
 「じゃあ、もう一度染色液を付けてみるわね」
 唯ちゃんが鏡をのぞきこむと今度は先ほどと違って歯は赤く染まりませんでした。しかし歯みがき指導の時間は30分近くにも及んだのです。
 「歯みがきって、結構大変なんですね。でもこれで私も歯みがきの達人になれるかしら」
 うれしそうに唯ちゃんがそう言うと、衛生士さんはこう答えました。
 「今日の歯みがきを毎日欠かすことがなければね。でも残念ながら半年たってメンテナンスにやって来る患者さんで、本当に歯みがきを頑張って続けている人は少ないのよ。唯ちゃんだって、今日学校で習ったことを半年間も覚えていないでしょう」
 「今だって覚えてないですけどね。だから家で復習が必要なわけですよね。ところでメンテ……というのは、何ですか?」
 「簡単にいえば、お口の状態を良くなるように管理していくことかしら。唯ちゃんが毎日しっかり歯みがきをすることや、歯科医院で自分のできない所を管理してもらったり不具合な部分があれば修正することも含まれるわね。それから歯垢を赤く染める染色液は市販されているから、お家でも時々使って歯みがきが上手にできているかチェックしてね。目をつぶっても自分の歯のどこを磨いているかわかるようになるのが、歯みがきが上手になる決め手だからね」
 「目をつぶっても……、そんなことができるのですか?」
 唯ちゃんには雲をつかむ話のように思えてなりません。
 「できるわよ。例えば自分のよく知っている人の顔を頭の中でイメージしてみて」
 唯ちゃんが想像したのはボーイフレンドの太朗君の顔でした。お父さんがそのことを知れば、さぞやがっかりしたことでしょう。
 「ねっ、今見ていなくても頭の中に浮かんでくるでしょう。大事なものはそうやって残っているものなの。それで誰の顔をイメージしたの?」
 「もちろん秘密ですよ」
 衛生士さんもその人物が自分のいる診療所の2階に住んでいるとは露程も想像できなかったでしょう。
 「歯みがきもいっしょで大事だと思えば自然とそうなるの。でもそのためには、まず自分の口の中を鏡でよく観察すること、そして磨き残しがないように何度も練習することが重要なのよ」
 「勉強といっしょで近道はなし。努力あるのみですね」=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
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 ◇はぴか情報
 今回は学童期、思春期のお口のケアについてです。自分にあった歯ブラシを選びましょう。部活動や勉強などにより生活のリズムが崩れがちです。食べた後は必ず歯を磨く習慣をつけましょう。高校を卒業したら定期健診を受ける習慣をつけましょう。(資料提供 8020推進財団)
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