[羽賀さん一家の元気ではぴか]/12
 歯みがき編 第3章 唯ちゃんは… /愛媛
 ◇文・飯尾秀人、絵・KOUJI
 ◇第3章 唯ちゃんは今どきの高校生(3)血に飢えたドラキュラ
 ◇見えない歯垢を染め出せ!
 ◆これまでのあらすじ
 羽賀(はが)さん一家は、 四国のある街で仲良く暮らす大家族。お父さんの大二郎さん、お母さんの浮江(うきえ)さん、結婚して妊娠中の長女加奈(かな)さん、高校生の二女唯(ゆい)さん、小学生の長男明夫(あきお)くん、大二郎さんの両親の内蔵(ないぞう)さんと保志子(ほしこ)さんは、みんな歯に問題を抱えていました。歯みがきの嫌いな唯ちゃんは、歯医者さんでムシ歯のメカニズムを学び、衛生士さんに歯みがき指導を受けることになりました。
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 「うゎ、真っ赤」
 衛生士さんが差し出した手鏡で自分の口の中をのぞいた唯ちゃんは、思わずそう叫んでしまいました。
 「ビックリしたでしょ。こうすると、みんなそんな顔をしているわ。でも歯が赤く染まったんじゃないから歯みがきで落とすことができるの、心配しないでね」
 衛生士さんにそう言われても、唯ちゃんは自分が食事の終わったばかりの女ドラキュラにでもなったような気分でした。
 「こうやって赤く染めてみると、どこが磨けていないか一目瞭然でしょ。これで見えない敵を知ることができるようになったわけ。でも歯垢は口の中のムシ歯菌が、バイオフィルムといってお餅のような接着剤で歯にくっついているから、うがいだけでは取ることはできないの。この赤くなったところを効果的に磨けるようになることが、正しい歯みがきの第一歩になるのよ。それじゃあ、今までのように歯みがきをしてみてくれる?」
 そう言われた唯ちゃんが歯ブラシを握りしめて歯みがきをしようとすると、衛生士さんが話しかけてきました。
 「やっぱり、その持ち方をしているのね。指導する前の患者さんは、ほとんどの人がそう握っているのよ」
 実は唯ちゃんはナイフを持つように、歯ブラシを手のひらでグッと握りしめていたのです。
 「歯ブラシの正しい動かし方は、あまり大きく動かさずに一カ所に回数をかけて磨くようにするのが基本なの。だけどその持ち方では、ひじから動かすようになるから自然と大きく歯ブラシが動くようになるでしょ。だからペングリップといって鉛筆を持つように歯ブラシを持ち替えてみましょう」
 そう言われた唯ちゃんは歯ブラシを、鉛筆を持つように持ち替えてみました。
 「じゃあ、そのままで歯ブラシの背に人差し指をあて毛先の方向に軽く押すように、歯ブラシを動かしてみて。鉛筆で小さな字を書く時と同じように指先を使うのがポイントよ。うん、上手にできているわ。それじゃあ実際歯に毛先をあててみて、軽く歯と歯の間に通していくように、同じところで何回も動かしてみましょう。そうね、細いつまようじを中に入れていくイメージかしらね」
 唯ちゃんが言われるまま歯ブラシを20回くらい動かすと、歯と歯の間に残っていた赤い汚れがなくなり白い歯が見えてきました。=愛媛県歯科医師会監修、毎週木曜掲載
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 ◇はぴか情報
 今回は幼児期のお口のケアについてです。まず、両親が点検みがきをしてあげましょう。果物や手作りのおやつなど、ムシ歯になりにくいおやつを与えて、甘いもの好きにならないような習慣をつけましょう。かみごたえのある食べ物を食べ、よくかめる顎(あご)をつくりましょう。(資料提供・8020推進財団)